法人化に踏み切る最適な3つのタイミングを個人事業主の皆様にお教えします。

個人事業主から法人になるべきなのか

「まずは個人事業主で独立」というケースは珍しくありません。
個人事業主のままでは税金面で損をしてしまう可能性がありますが、すぐに法人化をする必要はなく、タイミングを見て法人にするのが良いでしょう。

 

では、具体的にどのような状況になると法人化したほうが有利に働くのでしょうか。
事業主としてのフェーズごとに、法人化を検討すべき3つのタイミングをご紹介いたします。

 

利益が800万円を超えるとき

事業の利益が増加

 

事業で生み出した利益が800万円を超えるとき、法人化を検討しましょう。
その理由は、所得税の計算方法に隠されています。

 

所得税は「課税対象の所得金額×税率」で算出されます。
695万円から899万9,000円までの課税所得には税率「23%」が適用され、900万円から1,799万9,000円までの課税所得には「33%」が適用されます。

 

一方で法人税は「資本金1億円以下の法人など」に当てはまる普通法人の場合、800万円超で「23.20%」の税率が適用されます。
以降900万円でも1,000万円でも税率は23.20%です。
つまり課税対象となる所得が800万円を超えた時点で法人になってしまったほうがお得と言えます。

 

 

消費税課税事業者になるとき

消費税のイメージ

 

売上高が一定に達した場合、消費税を納税しなければいけません。
それは個人事業主でも法人でも同じであり、消費税を納税すべき立場となった事業者を「消費税課税事業者」といいます。

 

ただし、消費税の納税負担を軽減するために、個人事業主では開業年度より2年間、法人となればさらに追加で2年間の免税期間が付与されます。
そのため、免除制度が適用される条件を満たし、かつ個人事業主の免税期間が終了するタイミングで法人化することで、最大限の免税効果を受けられるのです。

 

従業員の増加が見込まれるとき

増加した従業員

 

個人事業主は基本的に厚生年金への加入義務はありません。
しかし、5名以上の従業員を雇用している場合は加入義務が発生します。

 

従業員が5名以上になる見込みがあれば、法人化して強制的に厚生年金に加入しなければいけない状況を作っても損はありません。
それどころか、法人なら所得税や経費の考え方で優遇される面があります。
組織としての負担が増えるならば、法人化してその他の面で有利に働かせる、というのは法人化の判断材料となるのではないでしょうか。

 

軌道に乗ったら法人化を考えておく

従業員と力を合わせる

 

法人化への考えは経営者によって異なります。
しかし制度の面から考えるならば、一定の売上に達したら法人化したほうが有利に働くことが多いです。
順調に売上を伸ばし、従業員数も拡大傾向にある組織の経営者は、法人化を検討してみても良いのではないでしょうか。