労務とは、入社手続きや賃金・社会保険など従業員の待遇に関する分野です。

労務に関する基本的な知識

労務管理の知識を勉強するイメージ

 

「労務知識」とは、社員の待遇について決定するために必要不可欠な知識です。
経営者は入社手続きから退職手続きまで、労働にまつわる法律知識を活用しながら業務を遂行しなければなりません。

 

社会保険労務士という専門家がいますが、頼りきりはよくありません。
基礎的な知識を経営者本人が身につけておくことで、経営を円滑に進めましょう。

 

入社・退職手続き

入社・退職は、労働基準法と社内規則の両側面から手続きを行う必要があります。
働き始めてから、聞いていた内容と違う、とならないように慎重に書面を作成しなければいけません。

 

入社時には「労働条件通知書」を紙面、もしくはメールにて作成します。
そして退職時には「社会保険・雇用保険の資格喪失」を提出するなど、保険にまつわる手続きが必要です。
これから紹介する知識の多くは入社・退職時の書面に活用します。

 

賃金の決定

時給を決定するイメージ

 

従業員に支払う給与を決定することも労務の役割です。
予算に基づいて給与を決定するわけですが、予算の全てを給与として設定してはいけません。

 

予算の中から給与以外に、残業代や社会保険料を徴収する必要があるのです。
特に残業代は取り決めが難しいので、固定残業を設定する場合はあらかじめ決定しておく必要があります。

 

社会保険に関する手続き

会社に勤めるということは、支払う保険の区分が変わるということです。
健康保険、そして厚生年金保険への切り替え手続きを行う必要があります。

 

会社が保険に加入する際には「健康保険・厚生年金保険新規適用届」が、新しく従業員を雇った際には「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。
従業員に配偶者の有無などを確認して、適切な書類を提出しましょう。

 

労働契約の期間

カレンダーの上に置かれた砂時計

 

労働契約の期間を決めておく必要があります。
一般的に正社員は無期雇用契約になるため、雇用期間を厳密に決定する必要はありません。

 

しかしパートタイム・アルバイトや準社員型契約社員など、有期雇用契約を結ぶ従業員とは、合意の上で契約期間を定めておく必要があります。
契約期間は最大で3年までが原則として設定されている、などの注意点に気をつけて、契約を結ぶようにしましょう。

 

トラブルへの対応

労務に関わるトラブルも確実に抑えておきましょう。
有名な対応が難しい問題として「パワーハラスメント」や「セクシュアルハラスメント」が挙げられます。
常日頃から従業員の相談先を用意しておく上で、経営者が正しい知識と当事者意識を持って解決に望まなければいけません。

 

従業員とミスマッチをおこさないために

従業員とコミュニケーションをとる様子

 

労務は、どれも従業員が働く上で基本となる知識です。
最終的には人事・労務担当者に一任してもよいですが、基本的な部分は経営者が参加してルール作りをしなければいけません。
専門家や担当者と円滑にコミュニケーションが取れるように、必要不可欠の知識だけでも理解しておくことが大切なのではないでしょうか。